2009-06-01から1ヶ月間の記事一覧

詩>抽斗(ひきだし)

一日が終わると 私は私を脱ぎ 三つに折り畳んで抽斗に入れる ある夜 灯りに晒してみると いたる所がすり減っており ほころびかけている箇所さえあった 全体に色合いも褪せて くたびれた感は否めない とはいえ取り替えることなどできはしない 私はこれ一着き…

詩>ドア

ドアを開けると誰もいなかった 悄然と立ちすくむ後ろで いきなりドアが閉まる 感情的な勢いで 私は閉め出されたのか あるいは閉じ込められたのか