2010-09-01から1ヶ月間の記事一覧

詩> 「独り言を言うアライグマを先程から疎ましく思っていた

環状線電車内で 「夏だっていうのにうすら寒い日は憂鬱だ」 独り言を言うアライグマを先程から疎ましく思っていた 向かい側のドア付近で ワンショルダーのバックを肩に掛け二本脚で立っている 生意気にもサンダル履きだ 電車が停まり反対側のドアが開いた 数…

詩>角地

角地 子供だった時分から 角地にあるタバコ屋の店先に おばあさんは座っていた 大都会での生活に見切りをつけ 久しぶりに戻ってきたときにも 十年一日のごとくそこで店番をしていた ことさら愛想がいいわけでも かといって無愛想というわけでもない まるで置…