2005-03-01から1ヶ月間の記事一覧

詩>それは胸の奥深くの

それは胸の奥深くの小さな痛みからはじまった 昼のけだるく無意味な時間の窪みで 何かしら言い知れない不安に気付いたのは それからしばらくしてからのことだった まもなく メインストリートにある大型書店の文庫本棚の前で 駅の反対側ホームの人込みの中 す…

詩>無人の国道を

無人の国道を 時速150劼納屬麓請?垢 行き先は定まらない ただ闇雲にハンドルを握るだけだ アクセルを踏み込み 際限なく続く中央分離線を追って 日常を置き去りに 夜の真っ只中に存りつづけるために 去るものはどこまでも去っていけ 何も行く手を遮るな 欲し…

詩>夜の時間の深み

夜の時間の深み 生と死のスクランブル交差点で 規則正しく 信号機は切り変わる 明りのおちたプラットホームが 突如 闇に浮かび上がり 先行する光を追って何かが通過していく やがて 静寂は一層硬くなる 誰も知らないことが 誰にも知られず 始まり そして終焉…

詩>きみもきっとやさしい寝息を

きみもきっとやさしい寝息をたてている頃だ 夜更かしをしてのひとりきりの酔いは懶惰な午睡に似ている その寝顔を想いながら いつしかグラスが空になる 退屈な日々の このひとときは句読点 また次のセンテンスが始まる 生は正に散文に他ならない 雨がふる 0.…

詩>夜がなかなか明けそうにない

夜はなかなか明けそうにない 夢の路頭で流浪する魂は いま 切なく声を張りあげる そうして じっと時間を耐え忍ぶ他ないかのように 分析心理学者・ユングは語る 個人の無意識と集団の無意識との 水脈のような連繋を きっと ひとりは独りきりではない 明日もあ…

詩>夢の入口で

夢の入口で きみをめぐる想いは夢よりも果てしない ぼくらはこんなにも近く こんなにも遠い 求めることを禁じられ きみに逢えない日々を 盲いた心は 徒に行きつ戻りつするばかりだ 妄執は濃厚に昇りつめていく 衣服を剥ぐに飽き足らず その裸体を八ツ裂きに…

詩>死んだ人とよく出くわすよ

死んだ人とよく出くわすよ 今日も車で街へ出掛けたとき 国道の橋の上で白い新型車とすれ違った あれは去年逝ったS伯父だ 背景の空に霞のような雲がひろがっていて 片肘を窓枠にかけ 大きな欠伸をひとつ 確かめる間もなく過ぎ去った 頭上からの陽射しが妙に…

詩>世界が寝静まった時刻の

世界が寝静まった時刻の浴槽は棺桶に似ている 自分のものではないかのように投げ出された身体が 湯水に溶け込んでいくとき タイルの上に一枚の剃刀が冴え冴えと存在する 心優しき者は風に抱かれ 声を殺して泣いている 夜の帳の向こう の舞台裏 到るところに…

詩>この夜を記念して

この夜を記念して 手首にナイフを走らせる 氷りついた愛撫のように そっと 事もなき日々のために 誰も彼も近しい 絶交したままのユウジンへ 昼間言い争ったヒトにも 気軽に電話ができそうな気がする 大雨洪水警報のでた 午前零時に倣って立っているのは 過去…

詩>風にのってきみを

風にのってきみをどこまでも追いかける いちめんの花畑を越えると そこはやはりいちめんの花畑だった 夢の地平線の向こうに夢がつづいているように そばにいる気配がして振り返ってみるが きみの姿はない そこにひろがる 澄み切った空こそきみに違いない そ…

詩>目蓋の裏に

目蓋の裏に花火があがる 世界最期の仕掛け花火だ なのに どこにも人影がない 群がりたがりの人々は一体どうしたのだろう 十尺玉が天の川にかかると 世界は一瞬間聾になり あらゆる動きがとまった 初めに何が動きだすのか 人生に花火の喩えもあるが 綺麗事だ…

詩>夢にみる空は

夢にみる空は トルソーの雲を浮かべている 砂丘に立ち それを見上げているのは 幼い頃の僕だ それから数えきれないくらいのヒトと出会い 数えるほどの別れに泣いた ベッドにうつぶせ 夜の長さを測っていると 新たな悲しみが湧いてくる 今夜も夢の入口で 訪ね…

詩>午前3時の風は

午前3時の風は 寝息に似ている 雨が降っているのか 心がやけに湿っぽい 昼の喧騒は 旧い記憶 誰も彼も許せそうな気がして 手紙などしたためたくなる 芸術論も哲学も処世術も易しいのがいちばん 僕らは難解になり過ぎた ましてや 生きることなど 一人一人の…

詩>おしゃべりするきみの

おしゃべりするきみの向こうに夜がみえる その夜の向こうに何があるのか しらない ただ半月のように窓があって 見知らぬ顔がじっとこちらをみている 淋しくてたまらないと きみが夢のなかで涙を流すときも きっと誰かがきみの夢をみている きみがそのヒトの…

こんな詩を書いてます。 詩>夜なのに

まだ何の記事も書いてないのに、訪問が5人もあって驚きました。 ブログは全くの初体験です。 でも、せっかく訪問してくれるんですから、 少しでも実のある内容にしたいと思います。 ということで、自己紹介を兼ねて…。 こんな詩も書いてます。 ◆ 夜なのにど…