詩>この夜を記念して

この夜を記念して
手首にナイフを走らせる
氷りついた愛撫のように そっと
事もなき日々のために

誰も彼も近しい
絶交したままのユウジンへ
昼間言い争ったヒトにも
気軽に電話ができそうな気がする

大雨洪水警報のでた
午前零時に倣って立っているのは
過去か それとも未来か

どちらへも向かい兼ね
途方に暮れる
現在か