2005-09-01から1ヶ月間の記事一覧

爆発的な人口増加が辿るであろう運命

「ヒトという生きもの」 <草思社> 柳澤嘉一郎・著 『この本を読め!』などと偉そうなことを言いながら、 最近はめっきり読書量が減ってしまいました。 さて、以下、本文から気になった章について紹介します。 1973年、J・カルフールという学者は2.…

詩>日付のない日。

日付のない日。 快晴の 日曜日。 白いものが立ち昇る。 工場でも火葬場でもない。 遠くに見える 一本の筋。 まるで日常のエアポケットのように。 近隣に人影も物音も途絶えた。 ひととき。 家人の出掛けて 誰もいない居間で。 仏壇にあった。 自分の遺影を手…

むこうを向いた裸の背中が

午前二時半の満月 なにやら気配を感じて目を覚ますと 遮光カーテンの隙間から 月の光が射し込んでいた 大都会の中天にかかる月は 妖しい熱を帯びてみえた ほどなく そのおぼろな白さは あのヒトのことを思い起こさせた 今夜もあのヒトはさまざまな密室で 男…

いつも 死について考える 自分自身の死を 近しい者たちの死を

夜のベッドのまわりで 夜半のベッドに潜り込むとき いつも 死について考える 自分自身の死を 近しい者たちの死を さらに 死んでいった者たちのことを ときには 闇底のベッドのまわりに 逝った者たちが整然と集ってくる だが 誰も彼も一向に口を開こうとはし…

詩>姉のように青空が覆い被さってくるのだった

夏と青空と運動場と 運動場の真ん中に 帽子を目深に被った少年のぼくが立っている うしろの空は気の遠くなりそうなほど深く青い 壁面も内庭も濃い影に塗りつぶされた コの字に建つ木造校舎 何ものかの気配で 姦しい蝉しぐれがたちまち止むと ゆるやかな時間…