詩>目蓋の裏に

目蓋の裏に花火があがる
世界最期の仕掛け花火だ
なのに どこにも人影がない
群がりたがりの人々は一体どうしたのだろう

十尺玉が天の川にかかると
世界は一瞬間聾になり
あらゆる動きがとまった
初めに何が動きだすのか

人生に花火の喩えもあるが
綺麗事だけの人生なんて
誰が満足などしてやるものか

やさしい風が流れ
子守唄のように波音が聞こえはじめる
夢はまだまだ続く