戦争にカッコよさなど微塵もない!

BS世界のドキュメンタリー「ダス・ライヒヒトラー “死の部隊”~」(前編)





前編は、元はヒトラーの親衛隊として発足し、知力・体力に優れた青年を集めて訓練や教育を施し、ドイツ国民の“尊敬の対象”だった「ダス・ライヒ」が、第二次世界大戦の過程でいかに変容していったのかを追う。兵士が集まらなくなりハンガリーからも徴兵。フランスに展開するとレジスタンスの反撃に苦しむ。略奪行為を繰り返すなかで“世界史に残る汚点”オラドゥール・シュル・グラヌ村での女性や子どもの虐殺へといたる…

「炎624」という作品で映画化された実際の話が、ここに出てくる。
連合軍のノルマンディ上陸の情報を得たナチスドイツがこれを迎え撃つために武装親衛隊ダス・ライヒがフランスに侵攻。途中、レジスタンスの抵抗を受け、そのたびに報復として市民である老若男女、赤ん坊までも虐殺していく。
そうした道中、失踪したドイツ部隊の隊長が実は誘拐、監禁されているとの情報から大隊はオラドゥール村を包囲するとともに侵入。結局、当の将校を発見できなかったものの、ここでも報復として虐殺を繰り返す。

先ず村人ほぼ全員が中央広場に集められ、女性と子供は教会に連れて行かれた。また、男性は6つの納屋に分かれて連行されたが、その納屋では機関銃が待ちかまえており、親衛隊兵はまず脚を狙って発砲。彼らを逃れられないようにした上で、たきつけでそれぞれの身体を包んでから納屋に火をつけた。生存者はわずかに5名、197名が殺された。
その後、兵士らは教会の中に入り放火。逃げ出してきた者は射殺した。女性240名、子供205名がこうして虐殺された。

政治家らは国際貢献のため戦闘も辞さないなどと勇ましいことを言うが、戦場にはルールなどない。
こうしたドキュメントなど何も見ていないだろう。
その程度の知識で、軽々しく戦争を語る。

ペリリューの戦い」について元アメリカ兵がこう証言していた。
ある場所で仲間の兵士が殺されているのを発見。
確かめると、屈辱的にもその口に切り取られた性器が押し込まれていた。自分は報復として同様の仕打ちを複数の日本兵にやってやった。
戦闘の中味とはそんなものだ。

オラドゥールの虐殺