詩>夜が深く より深く

夜が深く より深く
どこまでも深くなっていく
------- 底なしにか
あたりを窺えば正に死者たちのための時刻だ

葬られる記憶と秒針とを呆然と見遣りつつ 銜えた一本のタバコ
小さな悔恨の火が炎え上がり 一瞬間闇を退ける
けれども たちまち埋めつくされる沈黙の暗黒に戦き
思わず指がそれを折る

いくたびか
こんな夜をむかえ
己れの無能をあきらめてベッドに入るのか

大きく?夐けた時間の宙空に磔られるように
落ちることも上がることもできない
虚無の苛立ち