あのバカにしてこのバカあり。
自民党の石原伸晃幹事長は14日の記者会見で、
「あれだけ大きな事故があったので、集団ヒステリー状態になるのは、心情としては分かる」と語った。
「反原発と言うのは簡単だが、生活をどうするのかということに立ち返ったとき、
自分たちだけ、自分たちの時代だけ良ければそれでいいのか。
ドキュメンタリー映画『100,000年後の安全』を観た。
全世界における放射性廃棄物の現在の総量は25トン以上もある。
フィンランドでは独自に18億年前の堅牢な岩盤の地下500㍍に廃棄施設を建設、そこに放射性廃棄物を保管する計画だ。施設は2200年には満杯になる予定で、そうしたら施設内にコンクリートを流し込み、完全封鎖する。
そして、その場所に警告のモニュメントを建て、人体への悪影響を及ぼさなくなる10万年後まで管理するというものだ。
管理するといっても実質的には放置であり、10万年後までには新しい人類が誕生しているかも知れない。とすれば、警告のメッセージが正確に伝わるのか。
徒に掘り出してしまう危険はないのか。そうした議論やメッセージの検討が識者の間で喧々諤々交わされていた。
翻って日本はどうか。
放射性廃棄物の総量は約1万6千300㌧。それらをガラスと混ぜて金属容器に流し込む。これを「ガラス固化体」というが、さらに30年間から50年間冷却し続けた後、300㍍以上地下の岩盤に廃棄施設を作り、そこに保管することになる。
権威ある地質学者によれば、日本には到る所に活断層があり1000年も安定しているだろう岩盤は何処にもないということだった。
半減期から計算して10万年間などというトテツもない期間にどう対処するつもりなのか。
六ヶ所村などが一時保管するガラス固化体は1,700本。今後、各原発が保管する放射性廃棄物を再処理すると約24,100本となり、それは毎年1,300本から1,600本ずつふえていく。(※ネット上で情報を収集)
冒頭の発言に戻ると、
目先の金勘定で、しかも個人は大した恩恵もなくその土地を追われ、
10年、20年もして様々な病気に蝕まれたらたまらない。
そのうち科学がすべてをコントロールするだろうと考えるのは、
チャレンジ精神というより浅薄な驕りだ。
そもそも、この件に関し最も恩恵に浴しているのは、一握りの連中ではないのか。