あのバカにしてこのバカあり。

 自民党石原伸晃幹事長は14日の記者会見で、
イタリアの国民投票原発反対派が多数だったことについて
「あれだけ大きな事故があったので、集団ヒステリー状態になるのは、心情としては分かる」と語った。
「反原発と言うのは簡単だが、生活をどうするのかということに立ち返ったとき、
国民投票で9割が原発反対だから、やめましょうという簡単な問題ではない」

自分たちだけ、自分たちの時代だけ良ければそれでいいのか。

フィンランドのオルキルオト島に建設中の放射性廃棄物最終処分場「オンカロ」の話だ。
全世界における放射性廃棄物の現在の総量は25トン以上もある。
フィンランドでは独自に18億年前の堅牢な岩盤の地下500㍍に廃棄施設を建設、そこに放射性廃棄物を保管する計画だ。施設は2200年には満杯になる予定で、そうしたら施設内にコンクリートを流し込み、完全封鎖する。
そして、その場所に警告のモニュメントを建て、人体への悪影響を及ぼさなくなる10万年後まで管理するというものだ。
管理するといっても実質的には放置であり、10万年後までには新しい人類が誕生しているかも知れない。とすれば、警告のメッセージが正確に伝わるのか。
徒に掘り出してしまう危険はないのか。そうした議論やメッセージの検討が識者の間で喧々諤々交わされていた。

翻って日本はどうか。
放射性廃棄物の総量は約1万6千300㌧。それらをガラスと混ぜて金属容器に流し込む。これを「ガラス固化体」というが、さらに30年間から50年間冷却し続けた後、300㍍以上地下の岩盤に廃棄施設を作り、そこに保管することになる。
ここで注意が必要なのは、ガラス固化体と地下水が1000年以上は決して接触しないようにすることだ。
権威ある地質学者によれば、日本には到る所に活断層があり1000年も安定しているだろう岩盤は何処にもないということだった。
半減期から計算して10万年間などというトテツもない期間にどう対処するつもりなのか。
六ヶ所村などが一時保管するガラス固化体は1,700本。今後、各原発が保管する放射性廃棄物を再処理すると約24,100本となり、それは毎年1,300本から1,600本ずつふえていく。(※ネット上で情報を収集)

冒頭の発言に戻ると、
原発反対だから、やめましょうという簡単な問題ではない」と言うが、
目先の金勘定で、しかも個人は大した恩恵もなくその土地を追われ、
10年、20年もして様々な病気に蝕まれたらたまらない。
そのうち科学がすべてをコントロールするだろうと考えるのは、
チャレンジ精神というより浅薄な驕りだ。

そもそも、この件に関し最も恩恵に浴しているのは、一握りの連中ではないのか。