2011-10-06 詩>夜の水底で 夜の水底で 夜がますます深くなっていくようだ 窓を少し開けると 風の破片が頬に冷たく刺さった 通りに人影も絶えた 電柱の辺りで虫の声がするものの 庭先からの声は消えてからしばらく経つ 雨でも降り出すんだろうか 空には月も星もなく それは不安な赤味を帯びている この地上から人類がいなくなった夜はどんなだろう 誰かが声を殺して泣いている 聞こえはしないがそんな気がする夜だ