詩>ナイフとフォークを清楚に操り

          食 事 

ナイフとフォークを清楚に操り
ぼくの心をあなたは食べてしまった

あなたに心を盗られたぼくは
身も心もと切なる想いに憔悴し
暁方の岬から身を投じたのだ

飢えた魚たちがぼくの死にむしゃぶりつき
跡形なく喰らいつくす

ある日の晩餐
そのうちの一尾があなたの食卓に上がる
いつものようにナイフとフォークを上品に使って
あなたはその一片を含み
優雅に噛み砕いてから飲みこもうとした

すると、そのとき
あなたの柔らかな咽喉へ
小骨のように僕は突き刺さったのだった