詩>夜毎 自分の死までの

夜毎 自分の死までの日数を算える
いつかは死ねるという約束事こそ
ぼくらの唯一の慰みなのだ
自分の外側にしかない この世界 この時代において

寝そびれたベッドの上では
繭のなかの蛹のようにして何も考えない
自分を自分で幾重にもくるみ
無意識の時空を墜ちていきながら

何も思いめぐらせたりしないで
切れ切れの記憶を
旧いフィルムのように心に映写する

死んだものも
生きているものも
スクリーンのなかでは同(おんな)じだ