2005-05-02 詩> 眠る人々へ 人々の気配は途絶えた 開かれたページで 言葉は同じ場面(シーン)をなぞっている 聞こえているのは 静寂(しじま)の被膜の顫え 光が包むものはもうない そして 言葉が名付けねばならないものも 別れたひとのことなど 誰も思い出そうとはしないだろう 皆 もうベッドにある それぞれ星と星のように遠く離れた 放神の部屋に いま 眠るものたちだけが優しい その優しさに耐える