詩>記録Ⅰ

綴るべき言葉はいくらでもあるのかもしれない
ただ その機会を徒に逃しているだけなのか

199×年12月24日 午前2時半
ぼくはこうしてキーを打つ
言葉の端端から失われていく時間を必死に書き留める
それは多分虚しい作業だ

だが ほかには何も手立てがない
おそらく 何もひとには伝わらないだろう
おそらく 誰も耳立てはしないだろう

それでも ここにこうして生き続けるかぎり
巡る思いはやむことがない

優しき人々に優しき眠りが保証されんことを

ひっそりとぼくはその寝息を聴こう