女の子は「熱いよおっ、熱いよおっ」と泣き叫びながら、やがて息を引き取った。

今日、2歳の女の子が二十代半ばの両親から虐待を受け、
死亡したというニュースが流れた。

食事が遅いという理由で、だ。
そのことに苛立ち、あろうことか女の子の頭に熱湯を掛けた上で
殴ったり、蹴ったりした。

女の子は「熱いよおっ、熱いよおっ」と泣き叫びながら、やがて息を引き取った。

男にとって女の子は義理の娘にあたり、
実子だったならば、このような虐待には及ばなかっただろう。

この両親らは幼児らを残して外出することもあり、
電気を消した家の中から夜間、すすり泣きが聞こえてくることも、
出掛ける時には親が強く叱る声が響いてくることもあったという。 

この忌むべき男と女に決定的に欠けていたのは、
想像する力だ。

夜間、幼い子供たち(3歳、2歳、8ヶ月)だけで放置された時、
どれほどの恐怖、不安や絶望が襲来していたか。
それら恐怖や絶望に小さな胸が如何に傷ついていたか。
女の子の食事が遅いのは何故なのか。
熱湯がどれほど熱いか。
強度の熱傷がいかにつらく、苦しいか。
手当ても受けられずに捨て置かれたことにどれほど苦しみ、絶望したか。

男は航空自衛隊饗庭野分屯基地に所属、
航空自衛隊空士長ということだ。
それが遠因となっているかどうかは不明だが、
このような精神構造の者に
有事、操縦桿を握らせるリスクは如何ばかりだろう。

長期に拘置され、己に向き合わざるを得ない状況下で
男も女も幼女の置かれた悲惨な境遇や蒙った虐待の数々に
繰り返し繰り返し思いを馳せて呻き、苦しみ悶えるだろうか。

しかし、それがなんになろう。
女の子は還らない。

心から冥福を祈ります。