詩>一月の空

指先と爪先の方から冷気がしみ込んでくる
そのせいかどうか
ふるえる魂を掻き抱くことに執心して
空など顧みなくなる

わたしはわたしのことで精いっぱいだ

みじめに洟水を垂らしながら
炬燵にもぐって蜜柑をたらふく喰らい
終日 見るでもなくテレビを見ていると
こんな日々なら死んだほうがましじゃないか
と そんな思いがおもむろに頭を擡(もた)げてくる
それならと さっそく自尽の方法について
考えを巡らせてみるが
あれはつらそうだし
それは汚ならしい
これではあんまり酷たらしい
そんなこんなでとどのつまり
いろいろ考えるのが面倒くさくなり
ついには眠たくなって
いつしか高鼾をかいている

寒風の吹きながれるうす曇りの休日は
そうして 緩慢に暮れていく