2005-06-08 詩>二月の空 凍てついた空をわたるのは トリという翼の生えた幻想だ 地平線のはてから水平線のはてへと それらは徒党を組み ゆっくりゆっくりと北上していく こんな光景を夢にみたような気がする 夢のつづきでは 何もいなくなった空の真っ只中で ひとり自分が磔にされていた あれはいかなる咎に対しての罰だろう 静まりかえった空に 出番待ちの緊張がつたわってくる 一片の雲影もない舞台へと 次にあがるのは プテラノドンや始祖鳥か さまようシロナガスクジラか 回遊する魚の群れか 夕闇がおとずれ幕が引かれるまで 白日夢には際限がない