詩>四月の空

四月の空は水のように澄んでいる

けれども
れんげ畑や菜の花畑が
その水面に映っているのを
見たものは誰もいない

いま
跳躍台の上に立った少女の裸身が
大きく伸びをし
真直ぐ四月の空へ飛び込んでいく

小さな水しぶきばかりか
水紋さえもが
たちまちのうちに消えうせて

四月の空は水をたたえ
森閑としてそこにある
すべては幻と