詩>気になる

気になる
 
肛門科の専門医は
コーヒーを飲みに立ち寄ったスタバの
ほど近いテーブルで友人と談笑している
美人の横顔を見つめながら
彼女の肛門がどんな形状か
密かに想像するんだろうか
 
その疑問に取り憑かれ
専門医でもないのに道行く女性たちのその部分に
ついと思いが走ってしまう
ちょっとしたパラノイアになってしまった
 
テレビを見てもアイドル歌手のそれが
映画を観ていても女優のあれが
どうしても気にかかる
 
そんな変態がある女性と親しくなった
まだ手も握っていない
「ねぇ、スッパイっていう顔してみて」
彼女は実直に唇をすぼめてみせる
 
肛門科のどの医者も
パラノイアに陥っていないのだろうか