…普通なら。

他人のために自分の生命さえ危うくするような、奇特な人などそうそういるものではない。
そういう人は多くの人の敬意を集め、大いに賞賛されるものだ。…普通なら。

しかし、この国ではそうならない。
中国国内において政府のエイズ患者に対する非情な扱いについて改善を求め批判もしてきた
胡佳(フー・ジャア 1973年7月25日生)氏を国家の転覆を扇動したとして3年6ヶ月も間拘束。
このたび刑期を終え、出所となった。
ときに手足を縛ったまま拘禁室に丸々一日放置したこともあるというから正気の沙汰ではない。

私利私欲に走る悪党でない。
むしろ、自分の身体的、社会的生命まで賭して冷遇されている人々を助けようとする仁徳者だ。
それを犯罪者に祭り上げ、虐げられた被害者たちを救済しようともしない無策の国家。
正に権力と金の亡者が跳梁跋扈する未開国だ。

しかし、10年20年先になるか分からないが、正義は国家を必ず転覆させる。
正義の通用しない国など大多数の国民にとり居心地が非常に悪いからだ。
正義を暴力で永遠に封じ込めることなどできはしない。
チュニジアしかり、エジプトしかり、リビアしかり。

時の権力者たちは、その座から引き擦りり降ろされた後、
自分たちが極悪人として裁かれることに戦々恐々としているのだろう。