自分という存在がいなくなった後にもつづく日々のことを考えてみたり

かぎ裂き


棘にひっかけた心のかぎ裂きからのぞいたのは
死の一部だった
弱気になっているオレのなかに
いつのまにかそいつは棲みついてしまったのか

世を儚んで誰とも口をききたくなくなったり
何をするでもなく休日を無駄に過ごしてしまったり
夜更けにしんみりしていることを好んだり
自分という存在がいなくなった後にもつづく日々のことを考えてみたり
何かに夢中になっていながらふとしたことで気持ちが冷めてしまったり
みんなそいつのせいなのか
いつかは付き合いを深めていかなければならない相手だとはわかっていながら
まだ親密になりたいとは思っていなかった
それがちゃっかりとオレの肉体の内側にひそんでいたというわけか

どう対処したらいいのか 皆目見当もつかない
とりあえずグラスに氷を転がしそこにウィスキーを注いで
時間をかけ舌を湿らすことぐらいしか
することもない
心のかぎ裂きを指先で押さえながら