なんでもない一日の終わりに

なんでもない一日の終わりに


誰かが傍らにいる
そんな空想に心をあそばせてみた
バスが走り去り
ひとりとり残された
勤め帰りの停留所

傍らに誰かが -------
ひとり 又ひとりと傍らに身を寄せたのは
愛した女たちだった

彼女たちは いま
どこでどうしているだろう
ほほ笑んでいる?
涙ぐんでいる?
誰かと見つめあっているのか
唇を噛んでいるんだろうか 夕餉のしたくの合い間に
あるいは 表情もなく電車にゆられているのか

------ 元気やってるよ
    そっちはどう
    ときどき思い出すこと、ある?
    ずいぶん会ってないよね
         
    一度また会ってみたいね

そんなことを考えていると
乗客満載のバスがやってきた
もちろんそこに彼女たちの姿はない

それをやり過ごした