詩>大都市 T

この手懸かりのない胸苦しさを
どう拭うことができよう
一人でたった一人きりを慰めて
それでまた一掬いの言葉を喪っていくのか

涯しなく重なり合う俺の 夜の姿
部屋の暗がりからそっと肩を抱きにくる その腕を
何と切なく 何という長い間
待ち焦がれていることだろう

温みのある白い両腕よ
くるおしく首根に纏い付け
そうして この俺をきっぱりと扼殺してくれ

夜に心を凝らしてみるのはやり切れない
暗澹として縡切れるくらいなら
せめて 生毛の生えたお前の温かさに縊られたい