詩>癇癪のあと
その不用意な言動に
いきなり怒りが込み上げた
声を荒げ 物に当たり
自ら殻に籠もった
そうして
たちまち自己嫌悪に陥った
なにもかもがどうでもいいような
そんな気がし始めた
どうでもよくなると
こうして生きていることが
ひどくつまらないことに思えた
そればかりか
これまで生きてきたことのすべてさえ
薄っぺらに見えた
思えば自分には何もない
而して
一体これから何があろう
生きてきたことが無駄なら
これ以上生きることも無駄
◆
新聞に目を通すと
テロ撲滅を口実に
虐殺と迫害をつづけるテロ国家の
新たな謀殺が記事になっていた
殺された子どもたち
殺される子どもたち
殺す側に殺すという実感がない
それは全く以ってとんでもないことだ
骨が飛び出し 脚が引きちぎられ
愛らしかった顔が歪にひしゃげ
いつか見たテレビでは
動転した父親が
娘の裂けた腹部から飛び出した臓物を
必死に戻し入れようとしていた
死は斯くも生臭く生々しい
実行するモノは多少なりそれを実感しているが
指揮するモノ
命令するモノには想像すらできない
「声高に戦闘を説くモノよ
お前がまず前線に立ってみよ」
「このモノ等の威勢のいい詭弁に惑わされてはならない
標的を定めるのはお前だ」
哀しみと怒りが胸腔をめぐる
◆
いつしか夜が深くなっている
久しぶりに酒が飲みたくなった
電気を点けずに台所に入り
梅酒の炭酸割とつまみを用意して自室に戻った
いきなり怒りが込み上げた
声を荒げ 物に当たり
自ら殻に籠もった
そうして
たちまち自己嫌悪に陥った
なにもかもがどうでもいいような
そんな気がし始めた
どうでもよくなると
こうして生きていることが
ひどくつまらないことに思えた
そればかりか
これまで生きてきたことのすべてさえ
薄っぺらに見えた
思えば自分には何もない
而して
一体これから何があろう
生きてきたことが無駄なら
これ以上生きることも無駄
◆
新聞に目を通すと
テロ撲滅を口実に
虐殺と迫害をつづけるテロ国家の
新たな謀殺が記事になっていた
殺された子どもたち
殺される子どもたち
殺す側に殺すという実感がない
それは全く以ってとんでもないことだ
骨が飛び出し 脚が引きちぎられ
愛らしかった顔が歪にひしゃげ
いつか見たテレビでは
動転した父親が
娘の裂けた腹部から飛び出した臓物を
必死に戻し入れようとしていた
死は斯くも生臭く生々しい
実行するモノは多少なりそれを実感しているが
指揮するモノ
命令するモノには想像すらできない
「声高に戦闘を説くモノよ
お前がまず前線に立ってみよ」
「このモノ等の威勢のいい詭弁に惑わされてはならない
標的を定めるのはお前だ」
哀しみと怒りが胸腔をめぐる
◆
いつしか夜が深くなっている
久しぶりに酒が飲みたくなった
電気を点けずに台所に入り
梅酒の炭酸割とつまみを用意して自室に戻った